佐世保鎮守府巡り ~無窮洞~

今回は佐世保鎮守府巡りとして、無窮洞を紹介します。
無窮洞は南風崎駅に近い、川沿いのところにあります。

これが「無窮洞」を案内する看板です。右側が川となっています。

当時、入り口に彫られた文字です。無窮とは、無限という意味だそうです。

写真左の入り口から入ります。

入ってすぐ、中はこんな感じです。正面は教壇となっています。また、床の黒くなっているところは今では砂利が敷いてありますが、当時は砂利が無く、水路であった、とのことでした。

教壇の前。教卓も手で掘ったとのことでした。各所に装飾がありますが、これも手彫りで、先生などの大人が彫ったとのことでした。各所に穴がありますが、これは黒板など設置した杭の跡とのことでした。

水飲み場です。ここで飲み水を確保したようです。

このような明かりを置く棚にも装飾が見られます。天井に電気はあったようで、その跡も見られます。

なぜこんな大きな防空壕が掘れたのか、そのカギは地質にあります。凝灰角礫岩という、比較的柔らかな地質だからだったそうです。では、誰が掘ったのか?実は昭和18年ごろからの、当時国民学校の生徒たちだったそうです。地図を見ると川が目の前にありますが、当時はここには川が無く、国民学校が有り、その校舎の後ろがこの防空壕になったようです。

ちなみに、教卓の上の天板だけは、どこからか持ってきたとのことでした。

多いときには生徒600人がここに避難したということです。

教卓からさらに奥があります。

その途中の一角にある部屋があります。天皇陛下の御真影を置く棚です。

重要書類棚の隣に設置され、生徒たちはもちろん入ることは無く、この前を通過するときでも、一礼したそうです。

さらに奥には倉庫があります。

この掘削時に終戦を迎えたとか。

なので、ここだけは他の洞と比べて、床が高いです。洞は下から掘ると、後々上での作業が必要になるので、上から下へ掘ったそうです。

左の柵は、換気口兼避難口。山の上へらせん階段が続いています。ここは調理場で、手前には一度も使われなかった竈があります。

そしてさらに進みます。

こちらには便所が有り、封鎖されています。こちらも一度も使われなかったようですが、実はこの洞窟が平成6年の水不足時に飲料水の貯水池とされた折に、衛生上よくないとのことで封鎖されたようです。

ここに唐箕がありますが、これは換気用に使っていたようです。大勢の人が入るところで、やはり息苦しくなってしまうため、生徒が一生懸命唐箕をまわして換気したようです。

床の水路に水が流れていました。半円になっているのも、天井から水がしたたり落ちないように工夫したとのことでした。

昔を語る貴重な遺産として、現在も語り継がれています。

実は今回、ボランティアの方にガイドしていただきました。たまたま他の方がいらっしゃらなかったので、全てガイドしていただきました。修学旅行でも多くの生徒たちが訪れるようです。

場所は南風崎駅からかなり(20分程度)歩いたところです(ハウステンボス駅だと徒歩30分程度と推定)。自動車だと、川沿いの少々細い道を入ります。看板があるのですが、注意が必要です。料金は無料(募金ボックスあり)。見学受付は9:00-16:30です。(2018年11月現在、無窮洞|観光スポット|【公式】長崎観光/旅行ポータルサイト ながさき旅ネット参照)

無窮洞

 

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