さて、最近晩飯の時に、寅さんを見ています。今日は第27作目の、『浪速の恋の寅次郎』を見ました。寅さんで大阪は、本作くらいではないでしょうか。大阪の少し昔の様子も知ることができる、個人的には2番目くらいに好きな回です。
今回からしゃべるようになった満男もそうですが、東京人と、違和感のある関西人役と、コテコテの関西人が混じっていることが、見所だと思います。
寅さんはやはり柴又に帰ってきますが、今回はすぐに出て行ってしまった。舞台は一旦瀬戸内海を経由し、大阪になります。泊まるホテルというか旅館は新世界のあたり、おそらく通天閣あたりの想定だと思います。(個人的には、今この辺に旅館があるイメージがないのですが・・・)
そして、瀬戸内海で出会った、大阪で芸者をしているマドンナと、石切で再会する。後にこの門前町あたりが、贋作男はつらいよの舞台になるそうで。
大阪の街では、都はるみの音楽が流れますが、千昌夫の星影のワルツを、寅さん達は口ずさみます。
石切に遊びに行って、そこでマドンナの弟が居ることが判明し、一路、大阪へ。大阪は港区の波除の運送会社に行きますが、弟は既に他界していることがわかった。その夜、マドンナは宗右衛門町にて仕事をしますが、早く切り上げ、新世界のとらさんのもとへ・・・。
その晩は寅さんの部屋に泊まるが、何もなく、翌朝、置き手紙を残して、マドンナは去ります。寅さんも、長い間滞在した大阪の宿を離れます。ちょうど、恵美須町の駅から地下鉄に乗る。う~ん、こんなシーンも初めてです。
柴又に帰ると、お約束通りマドンナがやってきますが、早い展開。マドンナは結婚相手が決まったと告げて、すぐに去り、跡を追うように、寅さんも旅へ出ます。
最後は対馬。大阪で修行した板前がここで商売をすると言うことで、嫁いでいったという設定。まるで、月の法善寺横町を思い起こさせる設定です。寅さんは、人妻になったマドンナの元に訪れる。
面白いのは、寅さんも関西弁が移ったことです。私もすぐに移りましたが、一度住んだらもう他へはいけない、それが大阪でしょうか。
東京の下町(といわれる)葛飾と、大阪、石切門前町の対比が面白い作品です。こんなにアウェイが長いのも、なかなか珍しいです。
それにしても、御前様も急に歳をとったなぁ・・・。